租税条約に関する届出書の記載例【留学生のアルバイト】
外国人留学生を雇ったとき、租税条約の適用を受ければ、その給与の源泉所得税等が免除になることがあります。
この適用を受けるには「租税条約に関する届出書」を税務署に提出しなければなりません。
中国人留学生のアルバイトを例に、届出書の記載例をご紹介します。
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目次
租税条約に関する届出書の記載例
この届出書の用紙は、国税庁のHPからPDFでダウンロードできます。
次に、各項目の具体的な記入例です。
提出先の税務署
届出書の左上の部分に記入します。
ここに記入する税務署は、アルバイト先の住所を管轄する税務署です。
留学生の住所を管轄する税務署ではないので注意してください。
この例では、アルバイト先の〇〇株式会社は台東区雷門に住所があるため、この住所を管轄する税務署の「浅草」税務署を記入しています。
管轄する税務署を調べる際は、国税庁のHPを参考にしてください。郵便番号・住所や地図などから検索できます。
国税局・税務署を調べる|国税庁
1. 適用を受ける租税条約に関する事項
日中租税協定第21条の適用を受けるため「中国」「21」と記入します。下段にも英語で「China」「21」と記入します。
日本の大学などに通う中国人留学生は、日本に滞在中、生活費などを得るためにアルバイトをしていれば、この適用を受けることができます。
日中租税協定第21条は下記のとおりです。
専ら教育を受けるために日本に滞在する学生で、現に中国の居住者である者又はその滞在の直前に中国の居住者であった者が、その生計、教育のために受け取る給付又は所得は、免税とされます。
日中租税協定第21条
2. 支払を受ける者に関する事項
在留カードなどを参考にしながら、留学生の氏名・住所などの個人情報を記入します。
3. 支払者に関する事項
アルバイト先の事業者の住所などを記入します。
4. 報酬・交付金等に関する事項
雇用契約書などを参考にしながら、契約期間や給与の支払日などを記入します。
5.「3.」の支払者以外の者から支払を受ける報酬・給料に関する事項
なければ記入不要です。「3.」以外のアルバイト先から給与の支払いを受けていれば「4.」と同じように内容を記入します。
6. その他参考となるべき事項
なければ記入不要です。「2.」から「5.」までの各欄に記載した事項のほか、租税条約の適用を受けるための要件を満たす事情があるときに記入します。
日付と署名
最後に、署名する日付と署名をして終わりです。署名は留学生が自筆で手書きしてください。
提出時の注意点
提出方法や期限に注意しながら、余裕をもって手続きをすすめましょう。
提出方法
正副2部作成して、事業者を通して税務署に提出します。
1部は税務署への提出用で1部は支払者の控えとなります。控えは税務調査のときや納税証明書の取得などに必要になることがあります。
留学生にも控えを渡す場合は、3部(提出用1部、控え2部)作成しておきましょう。
提出期限
最初の給与を支払う日の前日までに提出します。
添付書類
届出書と一緒に、留学生が在学する学校の発行する在学証明書などを添付してください。
まとめ
日本と租税条約を結んでいる中国以外の他の国の留学生についても、一定の条件を満たせば、アルバイト代の源泉徴収税が免除になることがあります。
免除になるかどうかは、国ごとに条件があるため、確認が必要です。